教習指導員

有能な教習指導員の条件:「伝える力」を解説します

始めに:「伝える力」(コミュニケーション力)は教習指導員にとって一番重要

この記事は、

  • 教習指導員としてワンランク上を目指す方
  • 学科教習や企業講習など話す機会が多い教習指導員の方
  • これから教習指導員を目指す方
  • 教習指導員ではないが、人前でプレゼンする方


などに向けた記事です。




デキル人間になる為には必須のスキルではないでしょうか?




教習指導員として、「有能な指導員」となる為に必要な能力とはなんでしょうか?


車の知識?

交通ルール?

確かな運転技術?

多くの資格取得?




もっと大事な事があります。



それは、正しく、簡潔に、分かりやすく、生徒のモチベーションを上げながら伝える力です。

そこには勿論カンペはなく、伝えたい事によって話す内容は違います。


かじー
この力って教習指導員は必須な力ですが、多くの指導員が足りていない力ではないでしょうか?


今回は、指導する者が確実に必要なこの力について、教習指導員の目線から解説したいと思います。
「伝える力」については多くの著書がありますし、動画も多くアップされていますが、ハック大学さんのこの動画がわかりやすく、参考になります。






伝える力の必要な3つのポイントを教習指導員目線で解説します。


「伝える力」の3つのポイント

教習は1コマ50分です。この50分でいかに効率よく、そして効果的に教習を行うかでその生徒の成長する伸び具合や、満足感、そして指導員への信用が大きく変わってきます。


又、企業講習など他人数に対して講話をするときにも役に立つポイントです。


伝えるコツは沢山あると思いますが、身のある教習や講習にする為に自分が重要と感じる3つのポイントを紹介します。


結論から話す

これは、すべての仕事に言える事ですが、先ずはどうしたいか、どうなりたいか、答えは何なのかを最初に話すことが重要です。

教習生
結局なにが言いたいのかよくわからない。
受講生
結局自分はどうしたらよかったの?


なにが言いたいかわからなくなる人は結論が必ず後にきます。結果自分自身でも何が言いたかったかわからなくなる人もいますね。




相手に興味を持たせるためには先ずは結論を話す事が重要です。




結論が後回しになると、相手の興味が薄れていき、どんな良いことを言っても相手の耳には入りません。




先ずは話したい内容の結論を先に言いましょう。




それによって教習生や生徒はその結論に至った経緯を
興味を持って聴いてくれます。




結論も相手の興味を引くような文言が良いです。例えば、

かじー
多くの人は正しい車間距離の取り方を知りません。

と1段階の項目7(安全な速度と車間距離)の内容でこのような結論を先に言い、教習を進めます。



結論を先に言うことで相手が興味を持ち、結果自分の言いたいことが伝わります。

色々言いたい事があるとは思いますが、先ずは結論を先に言う癖をつけましょう。

多くの場面でこれはプラスに働きます。

短く簡潔に説明する

教習指導員に限らず、誰かに教えるときに陥りがちな事は、

自分の知識を全て教えようとする事です。



教習指導員は職種上、交通安全に関する知識については一般の方よりも必然と豊富になります。


知識が豊富になると、どうしてもその知識を全て言いたくなります。特にマニアックな知識になればなるほどそうなりがちです。




結果、本当に知って欲しい知識の印象が薄れていき、情報過多な状態に陥り生徒は、

受講生
なんか面倒いからよくわからんけど、わかりましたと言っておこう。

本当に聞きたいことが何一つわからんかったわ。


となる可能性が高いです。





その生徒が必要とする情報を適切に選択し、必要な知識だけを相手に与える事が重要です。


相手が何を求めているかを把握する為にも、

  • 相手の話をよく聴く(傾聴)
  • 相手の行動をよく観察する



事ですね。有能な指導員は、上記2つのポイントがしっかりできています。


なるべく具体的に説明する

結論から始め、相手が欲しいと思う情報を簡潔に話す。

以上の事ができるだけでも生徒からは
教習生
この教官なら何でも聞ける!
と、信用を勝ち取る事ができます。



信用されると生徒自身が疑問に思う事を積極的に質問してくるようになります。



生徒から質問してくる事は、生徒自身が興味がある事です。




その質問については、より具体的に解説をしてあげましょう。しかし、以下のポイントに注意です。逆に信用が崩れるケースになるかもしれません。



  • 思い込みや経験論で答える(裏付けがない)
  • 質問に対して「知らない」、「なんとなく」など素っ気ない態度で返す



折角、興味を持った生徒に対して、このような対応はあまり良いとは言えません。


教習指導員は、交通安全のプロです。



生徒の質問が知らない事なら調べましょう。



多くの知見を持つ事はプロとして当たり前の事です。






相手が求めた事については具体的に伝えてあげましょう。


最後に:「伝える力」がある指導員こそ本当の意味で有能な指導員である



教習指導員の中には、指導員の資格取得後、新しい知識を得ようとしない指導員もいます。




また、運転技術や豊富な知識を持ち合わせていながら、生徒にその技術や知識を伝えきれていない指導員の方も多いのではないでしょうか?







資格というものは取得してしまうと、そこで完結してしまい、それ以上を求めようとしなくなる傾向になりやすいです。


有能な指導員の条件として、教習指導員の方なら必ず読む実務必携(ハンドブック)には、



“教習生の学習意欲を高め、効果的、能率的に教習を進めるためには、その鍵を握っているのは指導員である”(引用:実務必携より)

とあります。自己研鑽が必須となる職種です。



時代に合わせた知識や、それを正確に伝えるスキル、興味を持ってくれるようにするスキル、信用されるスキルなど、教育知識として学ぶべき事は多くあります。




今回記事にした「伝える力」もその一つです。



多くの教習指導員の方のお役に立てれば幸いです。






RELATED POST